最近めっきり寒くなってきた。天高く馬だって肥える秋はそろそろ終わるのだと思うけれど、すっきり秋晴れ。冬空をまだ感じないのは、あちらこちらに残る紅葉の所為だろう。掃除が大変だよとぶつくさ言いながら、清掃班の皆と一緒に校門の周りの落ち葉を集めた。毎年落ち葉の始末だけでえらい金がかかるのだとぼやく用務員のおじさんに、焼き芋やれないですかね、と言ったら、君は前もそんなことを言っていたよ、女は芋が好きっていうのは全年代に共通なんだねと笑われた。大口を開け、がはがはと豪快に笑うおじさんは、秋がよく似合う山の男、という感じの人で、私は自分が茶化されているのに思わず吹き出してしまった。
竹箒がコンクリートの上をじゃあじゃあと動く音は、多少お金がかかってしまうとしても、面倒くさくても、変に心地が良いものだなと思った。焼き芋を連想するからだけではない。
退院してから学校に通い始めて三日目。友達は距離を置かずに付き合ってくれるし、部活にも参加出来ているし、毎日は、正直楽しい。あの時間の止まったような感覚は別次元の私の話のようにまで思えてしまう。
それでも、ふと浮かぶのは棺桶の中に入った、知らない両親の顔。ふとした瞬間に感じる、友達と、自分とのどうしようもない溝。ごっそりと抜けている大切なものは、いわば私が生きてきた証、なくても今のまま生きていけるのかもしれないけれど、それは駄目だ。今はどうしても仮初めである気がしてしまう。どこか現実味がない。皆が向けてくれるたくさんの親切、以前のように接しようてしてくれる、時間と居場所。本当に暖かいのに、弱虫で強欲な私は、全てを取り戻した、ちゃんとした”浅丘晴季”として付き合って貰いたいなんて望んでいる。今の私に、”浅丘晴季”だった覚えは何もないから。彼女の姿を、以前の彼女を借りて生きている。早く本物に戻らなくては。本当の”浅丘晴季”にならなくちゃいけない。私だって、今までの全部を取り戻して、16年間の人生で得てきた仲間の、全部を、心の底から好きだと思いたい。思い出も何もかも、無くしてしまったままなんて悲しすぎる。
何度も頭の中を走らせた結果。同じ所にいつだって行き着く。
「……おおう、」
そのきっかけのひとつになってくれるだろうと期待されるものを、私は今、膝の上で広げた。午後の授業のひとつめをさぼってしまった。中庭は静かで、誰もいない。学校の活動音が随分と遠く聞こえる場所。ベンチに座り込んで私が開いたものは、中学生の頃の卒業アルバム。
横をちらりとみると、さっきまでアルバム入っていた手提げ鞄が目に入る。真っ赤なその中には、まだ数冊の品々。プリクラを貼った手帳や、高校生になってからの写真など。今朝、友達がごそりと手渡してくれたものだ。
「さー、数学なんていいからこっちの復習よー」
私が密かに畏れていたこと。学校にいっても、私が記憶喪失ということで、皆が腫れ物に触るようにする中で生活することになってしまうかもしれないということ。実際そうなる可能性はとても高かったと思うし、こんなにもさっぱりと接してくれる人達の方がきっと珍しいに違いない。私が望むのは断然こっちだから、何と恵まれているのだろう。
「これからはちょっとずつ解説してくからね」
にやりと笑った。その笑顔はとても嬉しいものだった。
だからなのか、私は妙に張り切ってしまって、昼休みだけでは飽きたらず、登校三日目にして早速授業をさぼってしまった。以前からこんな風に簡単に授業を抜けるような奴だったのだろうか、これも後で聞いてみよう、改めた方が…いい時もあるかもしれない。
アルバムからは1ページめくるたびに、そこに凝縮された月日が流れ込んでくる。何一つ覚えていないのに、なぜか懐かしいという気持ちにさせる。校歌と校章が並べてある横に、校長先生の顔写真と堅苦しい挨拶の文。頭髪が結構寂しい人で、専らのあだ名はバーコードだったと友達が笑っていた。納得出来てしまう、秋は辛い季節だ。木々の気持ち。

晴季は三組だったよ。
そう言われていたけれど、ゆっくり一組のページから全部見た。知っている顔もあった。それは私がこの数日間で覚えた人であるというのが寂しくもあるけれど、それでも、あ、と小さく声をあげてしまうくらいに嬉しさの方が出てきてくれる。アルバムを貸してくれた友達の顔も見つけた。くすぐったい気持ち。
そして三組のページ。出席番号は二番、浅丘晴季。ちゃんと私の名前で、鏡の中にいた私の顔がそこにあった。馬鹿正直な顔で笑っている。セーラー服を着ているから、顔立ちなんて全然変わっていないのに、随分幼く見える。
不思議な感覚だけど、今どうしてか嬉しい。そして悲しい。
やっぱり私はここにいた。これは私、私。浅丘晴季。カメラを向けられる時、おすましで皆撮れないのよ、カメラマンの人、わざと変なこと言って笑わせて、その瞬間撮るの。友達の言葉が反芻する。何かに吹き出したような顔で笑っている浅丘晴季は、確かにそこにいた。私が全く覚えていない場所で、当然のように笑っている。最後の冬服。卒業アルバムの写真撮影のため、と言って、写真屋さんが大きな機材を持ってくる。背景のための大きな水色の壁、傘、白いストロボ。面白い顔をして笑わせようとするクラスメート。お願いします、ありがとうございましたをちゃんと言いましょうね、小学生に言うみたいな先生の言葉。知らない風景を想像する。すぐ傍にあるようなのに掴めない。私は確かにそこにいたはずなのに、全部が遠い光の中。手を伸ばしたって届かない。いくら走っても追いつけない。
男女が出席番号の順番で縦に並んでいる個人写真、真ん中の辺りに坂谷くんを見つけた。坂谷光。印刷の無機質な文字までセピア写真のような温度を含んでいるように見える。坂谷くんは、はにかんだような笑顔で笑っていて、この間葬式の時に見た学ランを着込んでいた。やっぱり中学生の幼さのようなものが見える。男の子はまだまだ成長する時期だから、背はこの頃よりずっと伸びているかもしれない。前髪が今よりほんのちょっとだけ長かった。この頃は部活を引退していたのだろうから、きっとその所為だ。じっと眺めていたら、心臓のあたりがほんやりと温かくなった。ふと火を灯された蝋燭のよう。坂谷くんも、ここにいたのだなあと実感。そしてやっぱりやって来る、寂しい気持ち。
三組のページはまだ続いている。体育祭の集合写真。青いハチマキを巻いたクラスメートが笑っている。カメラマンによってもたらされた笑いではなく、どろどろになった体操服でのくたくたな状態での、満面の笑顔。疲れ切った色が見えるのは首から下だけで、笑顔は本当に綺麗だ。ピースサインを出していたり隣の子と肩を組んでいたり、前の子の頭に指を生やしたりしている子もいる。思わず笑みが零れるのが分かった。私は二列目の真ん中のあたりに立っていて、隣に並ぶの数人の女の子達とピースサインを向けている。逆隣には坂谷くんが立っていて、皆と同じように笑っていた。写真の下に、『体育祭、9月10日』と記されていて、夏休み明けで必死の練習が目に浮かんだ。そこには私じゃない”浅丘晴季”がいて、皆と肩を組んで二人三脚を大人数でやっている。私の姿のはずなのに私は私じゃなくて、一人外からそれを見ている。妙な錯覚。奇妙な感覚。幾度となく味わったので、結構慣れてしまった。毎度疼くのは寂しさだけれど。
合唱コンクール、授業風景、クラスのシンボルマーク。他のクラスの数倍の時間をかけて、じっくりと眺める。噛みしめる。飲み下す。私は完全にアルバムの虜となってしまって、背後に迫っている人物に気付くことが出来なかった。
「あーさおか」
「もぎゃ」
いきなり、頭の上にぼすんと人の感触。慌てて振り向くと、にかりと得意そうに笑っている岡田くんを見た。
「へへー、びびった?」
「うん、とても。授業は?」
「浅丘とおんなじー」
「いけないんだよサボったら…」
「やだよ何で一日二時間も数学あるんだよありえねー。あんなん出来なくても死なないよ、絶対」
「まあね、余弦定理分かんなくても買い物出来るもんね」
「オレ消費税の計算出来なかったからさ、そんなんじゃ困るぞってちょっとは勉強したけど、消費税込みでかかれるようになったじゃん?買い物に困んないじゃん、もう。だから数学やる意味ないわけ」
ふんふんと頷いて聞いていたけれど、岡田くんの世界の単純さに惚れ惚れとした。
「だから今までぐるぐる歩いてたー、浅丘はー?何やっての?…お、」
私の頭から腕を離して、ベンチを回って隣に腰掛ける。そしてアルバムに目を向けた。
「…これ、中学の時の?」
「うん、そう。西ちゃんが貸してくれた」
「うちのクラスって何気に七中出身多いんだよな、浅丘だろ、西野だろ、あと坂谷とー佐野もか」
「…え」
「あ、知らなかった?」
「あー、佐野くん一緒だった、んだ、ねー」
知らなかった。それとなく流そうとしたけれど喉に何か突っかかってしまったようでうまく笑えない。
「浅丘、」
「ん?」
「…佐野とさ、話してる?」
「…あんまり。一昨日、耳垂れと鼻血の怪獣の話はした、かな」
「…よく分かんねえけど、うん、え?」
「当然かもしんないのだけど、何か私避けられてる、かも。挨拶ぐらいしかしない、し、目が合うと、たまに、逸らされて、しまう」
ううん何だか言葉が途切れ途切れになってしまっている、格好が悪い。とても。岡田くんの前では格好つける必要なんてないから安心してしまうのかもしれない。必死にはる肩肘がいらないと思ってしまうからかもしれない、これはいけない、しめなおせ。
そう思って、頬を二三度叩こうと手を上げたら、私の手よりも先に両頬に触れたのは岡田くんの手だった。
「…ん?」
「泣いてる?」
「ん、いや、ううん泣いてない、泣いてないよ!」
覗き込むような視線に何となく誤魔化す。この人は多分無意識でやってるんだろうけれども私は一介の女子高生なわけでこういうのに慣れているわけではない、のだ。妙に安心しているのも確かなのだけれど。
いつもにこにこと笑って賑やかにしている人なのに、子どもっぽいと思われがちなのに、岡田くんの手は案外大きくて骨張っている。いいなあ男の子はこんなに格好いい手なんだとため息。
「…どかした?」
「ううん」
「…オレさ」
「うん」
ふと両手は私の頬に触れたままで、俯く。びくりとした。
そのまま何も言えなくてただ彼の次の言葉を待つ。
「オレ」
「うん」
「…昔、牛乳飲み過ぎてぶっ倒れたことあってさー!」
がばりといきなり視線も顔もあげると、目を合わせて笑った。自分の肩が再びびくりとなったのが分かる。その笑顔はいつもの安心させてくれるきらきらとした表情だけど、けれど、どこか冴えない。不安定で、何かをぼやかしたような笑顔に内心戸惑った。
「背を伸ばしたくってさー、中学の頃がぶ飲みしたらキモチワルクなった!」
「まだ背は伸びるよ、男の子だもん」
「だよな、浅丘伸びてる?」
「何かね、記録を見ると中二の頃から全然伸びてないみたいー」
「うおー、まあいいんじゃん、女子はちっちゃい方が可愛いよたぶん!」
「けどえびちゃんとかちょー背ぇ高いよね格好いいよね、私あんなん羨ましい!」
「いやー浅丘にえびちゃんは無理だろ、伊勢海老だよせいぜい」
「全然違うよ」
「伊勢海老は美味しいって、高い味すんだぜ、オレ甘エビの方が好きだけど」
「あ、私も!この間のお寿司の美味しかった!…何の話だっけ?」
「え、伊勢海老?」
確かえびちゃんが可愛いって話だ。
そう言おうとしたら、ふうとため息を吐いて、ふいに岡田くんが視線を逸らす。やって来る声は、少し沈んでいた。
「…なんて、話逸らしてんだからオレもかっちょ悪いんだけどさ、佐野を笑えない」
「…え?え、佐野くん?岡田くんが?へー?」
「オレはさぁ」
静かだ、本当にこの場所は静か。学校という世界の中に一枚のフィルターを置いて、隔離してしまったような場所。その世界に沈んでいた私の目の前に、どうしてだろう岡田くんがいる。岡田くんは何かを言おうとしていて、けれど私は馬鹿でそれを上手く悟れない。だからただ言葉が音を伴って声になってくれるのを待つしかない。
「佐野をずっと弱虫だと思ってた。すげえ好きだけど、今もそう思ってる。踏み出せない奴だと思ってたし、せっかく踏み出したら踏み外しちゃって、また戻そうとすればいいのにもう躓くのにびびっちゃって、格好悪いと思ってる」
これは佐野くんの悪口じゃないんだろうなとうっすら思った。
「けど、逆に浅丘は強いんだなって思った。オレさ、事故があったって知らされたの、遅くて、起きたのは夜だったのに病院ついたの朝でさ。浅丘ががんばってる時にいなかったんだ、だけど、ずっと心配してた」
「…うん、聞いた」
「そっか、あの日オレらメールしてたんだよ、だけどいきなりぷっつんって切れてさ、電話も繋がんないし、ユウカイでもされたのかと思ったら監督から電話かかってきてさ。まじ怖かった、お前、死んじゃうかと思った」
「…生きてるよ」
「そうなんだよ、お前生きてんの。記憶なくしてもおとうさんとおかあさんなくしても、ちゃんと生きてる。お前は強い」
じんとする、鼻の奥がつんとした。
岡田くんが顔を上げた。目が必死だった、今までにこんな岡田くんを見たことがなかった。触ったら崩れてしまいそうな砕けてしまいそうな硝子みたいで危なげでどうしたらいいか分からない。
「けどさ、強くなくてもいいんだよ」
それでも凛と真っ直ぐなのはきっと岡田くんの強さなのだ。
「授業中眠くなるくらいまで昔の記録みて、アルバム借りて、覚えてないことに苦しくなってぼんやりして、その度にすごく寂しそうな顔するんだお前。そんなん嫌だ。オレは嫌だ。お前が思い出したらオレだってそりゃ嬉しいよ、何よりお前が嬉しいならオレも嬉しい、だけどそんなん、お前辛いじゃん。」
思い出したことが全部手に入るわけじゃない。
「お前、ほんとおとうさんとおかあさんと仲良かったんだよ死んじゃったんだよ悲しいじゃんそんなの。知ってんだかんな、お前、最近殆ど飯食ってないの。昼休みだって、友達の話にこにこしながらきいてて、パンのひとつも食べてないの。」
「…それは、その」
「それにお前自分じゃ分かってないだろ、病院で寝てるときは毎回毎回うなされてたよ、辛いし苦しいよそんなの、何でだよ何で」
「岡田くん」
「だってお前、泣いてんじゃん」
どうして視界がこんなにぼやぼやするのかと思ったらそれか。人間の身体の七割は水分で出来ているというからなのか、惜しみなく流れ出てきていたのは、涙という液体だったわけだ。理由の分からない。
「何でお前そんなに、がんばるんだよばかじゃねえの」
「…だって」
答えることは出来るんだ、凄く簡単だ、私の今生きている、根源みたいなものだから。
「だって今、私、”浅丘晴季”じゃないもん、見た目だけじゃん殻だけじゃん、からっぽなんだもん、みんなが呼んでくれるのは、笑ってくれるのは、今までの私に、だもん、それだけだもん、みんなとの繋がりなんて本当は何ひとつないんだよ。そんなん、怖いし、駄目だ、怖い、だから」
そうだ怖い、怖い。寂しいとか悲しいとか全部通り越して怖い。今の関係を保っているのは、私が以前を取り戻す可能性があるからだ、この入れ物を持っているから、浅丘晴季の入れ物。けど中身はもうなくて、もう帰ってこないとしたら、皆は私と繋がっていようと思わないかもしれない。
それが怖い。記憶をちゃんと取り戻して、ちゃんとお父さんとお母さんのお墓参りに行きたいとか、部活でちゃんとサポートしたいとか、心配かけた皆にごめんなさいとありがとうを言いたいとか、そう、全部立前みたいになってしまう。それは全部、今までの”浅丘晴季”が繋げてきたもので、今の私には何もない、彼女が残してくれたものを頼りに生きていくしかない、それでもなお不安定でぐらぐらしている。自分の中身が全部立前になる嘘になる。自分にも嘘をつき続ける。記憶を取り戻すのが今の目的なんて、そんな、笑わせる。結局、自分が怖いだけだ、虚しさを早く埋めたいだけだ、だから必死なんだ。私だけがどこか蚊帳の外、それがどうしても怖いだけだ。皆がどう親切に振る舞ってくれても今まで通りにとしてくれても、私の中の一番大事な部分が抜け落ちている事実は変わらない、そして意味もなく今が怖くぽっかりとする。最悪だ、弱虫は佐野くんじゃないよ、一番の弱虫は私だ、強く何てないんだよ私、弱い女の子なんて可愛らしい、なんて、ありえなくて、埋め合わせで、私はただの醜い、ずるい、

「いいよ」
手が頬から離れた、私の頭のうしろ。もう岡田くんの顔は見えない、苦しいのは両腕の強さ。抱きしめられる腕の温度。
「もういいんだ、いいよ、戻ろうとなんてしなくていい」
「嫌だ、そんなの怖い、」
「怖くなんかない、大丈夫、忘れてたっていいよ、オレが見てる」
「だけど、このままじゃ私にそう声私、からっぽだ」
「からっぽじゃない」
岡田くんの短く切った黒い髪が頬に触れた。
「今のお前だからこそ言える台詞だってあるし、出来ることだってあるんだ、オレは知ってるから、大丈夫、もう無理しなくていいんだ、もう」
「嘘」
「嘘じゃない、もういいんだ無理して取り戻そうとしなくていいんだ、ねえ」
言葉を続けるうち、いつの間にか岡田くんは私の名前を呼ばなくなっていた。それは悲しいことであり続けるのだろう、だけどどうしてか救われたような気持ちになるのだ、一体なぜなのか知ることの出来ない私の脳が心が頭が、彼の言葉を咀嚼する。

「オレは今のお前がちゃんと好きだ」
「…、私だって岡田くん好きだよ」
「…分かってるせに」
「んー…」
「オレは全部からお前を解放出来るよ、もう縛られなくていい、あの頃の浅丘晴季になろうなんてしなくていい、しょってるもの、全部おろしていいから」
海を目指していた、途方もなく遠い海。海だか水槽だか知らないけれど水の中。いくら溺れても水は心地良い、魚はそう思う。神様はそれを知っていた。海じゃななくても魚は生きられる。水があれば生きられる。
「もう必死になんなくていい」
どうしてだろう、水は温かいよ。海じゃないのに。

そしてぼくらはうみをつきはなす